「異色の組み合わせによる多分野共同プロジェクト」は、
舞踊家、企画プロデユーサーでもある〈たかぎまゆ〉を総合演出に加え、
ダンスでイノベーションを起こすべく新しい企画として、
2017年に、ナチュラルダンステアトルの中に立ち上げました。
2018年の、公演実施に向けて話し合いを進める中で、
CM(ユニクロ)でも楽曲提供する女性シンガーソングライターの優河〉
〈京友禅の絵をエアーブラシで空間に描き出すKIRIE主宰の美呼〉
舞踊家の川野眞子(ナチュラルダンステアトル)
各精通する3人のアーティストが繋がるのに時間はかかりませんでした。
アツコバルーの協力を得て年内には、プレライブを開催する運びとなりました。
見応えのある新分野の開拓を目指し、共同制作に取り組みます。

食事にする。映画にする。それともダンスを観に行く?

 
一つの公演を観に行った時に観劇時間は大体6070分、ダンスを観るというのはダンサーを目で追い、耳で音楽を聴き、座って観るなど身体の拘束は多く結構長い時間です。つまらない公演だとそれが何時間にも感じます。ましてや、そのような舞台がダンス観賞初体験のお客様だったら、、、、その方が再びダンスをわざわざ観に来てくださる確率は少なくなるのは自然なことです。もしかしたらもう来ない、、、確率ゼロです。確かにあっという間に終わってしまい心から感動する舞台はあります。が、残念な事にその割合は非常に少ないと私の経験上は感じています。そうなると益々ダンスを観る人はダンスをやっている人、または、その界隈の人に留まります。よっぽどのスターが出ない限りこのままではダンスを観る人達が特にコンテンポラリーダンスを観る人達が増えるかというのはなかなか厳しいものがあるのが現状だと思います。
  
また日本人独自の身体を模索するダンサーの姿は非常に魅力的です。

 
その魅力が小さな界隈だけで終わらず少しでも広くお客様の目に泊まり世に出て行くには?と日々考えていたある時に、私はライブハウスに長く勤めているのですが、ある日いつも通りに音楽のライブを聴きにいらしているお客様の姿を観ていると自然と体がリズムを取り目を閉じて自分の世界の中で音楽を楽しまれている姿に目が留まりました。いつも観る大好きな素敵な光景です。が、その姿から『あれ!』っと気付いたのです。『ダンスを観るって身体の拘束が多い!!」という事でした。これは小さいときからずっと当たり前のようにダンス公演を観ていた私の盲点でした。
 
その気付きを抱いていた時に舞踊家の川野眞子さんとの出会いがありました。そして次の構想へと繋がったのです。
 
それは劇場に一歩足を踏み入れたら圧倒的に美しい桜の絵があり作品の世界観をワクワクと想像させる引金を耳を拘束しない美術が担い(KIRIE)、目を閉じてもその世界に浸れる目を拘束しない音楽が流れ(優河)、そして全ての第六感を刺激する人間の肉体があったら(川野眞子)、さらにさらに劇場ロビーではお茶やおしゃべりやお買い物が楽しめたら、、、。
 
コンテンポラリーダンスは小さな界隈だけのモノではなく。もっと世に広がるはず。友達や家族や恋人と「食事にする。映画にする。それともダンスを観に行く?」という会話が当たり前のようになる夢のような時代がやってくるのではないでしょうか。
 
舞台は非日常の生活ですが観に来てくださるお客様は日常からやってくるのです。ダンスをアプローチする側が視野をもっと広げる事がいま必要とされていると思います。その為には他のアーティストのコラボレーションはいまに限らず今後も必要とされているアプローチです。
  
私は普通の感覚を大事にしてより多くの人に『ダンスは面白いよ』って伝えたのです。
 
たかぎまゆ
 
 
たかぎまゆ〉
2011年より「大人ディスコあけみ」、2015年より「サラヴァ東京 DANCE SHOW CASE」を自らプロデュースし、これまでにプロか らアマチュアまでの延べ100名以上が参加。幅広い表現者に活動の場を提供している。また、幅広い観客層にアプローチできる企画作りを大切にし活動を展開している。

親交の深い舞踊家の野和田恵里花、宇野萬との別れをきっかけに、
弔いの踊りを続けていました。特別に意識していたわけではありませんが、
10年を振り返りそう思います。
その中で、女性シンガーの歌声は、すーっと、身体に入って来ました。
詩と肉声に、どれだけ救われたことか・・・

のこされし者のうた

2012 『萬祭』 ( 世田谷パブリックシアター
ダンス川野眞子動画
この動画は、舞踊家の宇野萬さんの御兄様に提供していただいた貴重な映像です。

共同制作の構想・ターシャの庭とは?

 
来年のプログラムについて話し合いをする中で、
たかぎまゆさんから 「ターシャの庭」 のアイディアを聞いた時、
風が吹くのを感じました---予感でしょうか。
 

ターシャ・テューダーについて

 
アメリカを代表する絵本作家の一人。1971年、子育てを終えた56歳の時、バーモンド州マールボロの30坪の広大な土地に移り住み「コーギーコテージ」と呼ばれるこの土地(息子のセスが手作りで建てた18世紀風の農家)で、ターシャは庭造りに没頭しながら、自給自足に近い生活を始めることになります。
アメリカでは著名人だったターシャが実践する前時代的な暮らしぶり(服装までも)と美しい広大な庭は、やがてメディアの知る所となり、ガーデナーとしての名を馳せていきます。訪問できるのはターシャの言う、『輝ける季節』の1ヶ月間のみ。庭が最も美しい6月以外に、人々の訪問は許しませんでした。
2008年に92歳でこの世を去るまで、植物と動物をこよなく愛し、自然に寄り添った一人暮らしを続けた。ターシャが作り上げた天国のように美しい庭は、アメリカのコテージガーデンの手本と称えられ、彼女のライフスタイルそのものが人々を魅了した。
「忙しすぎて迷子になっていない?」色とりどりの花が咲き誇る庭を眺めながら、丁寧に淹れたお茶をゆったりと味わうターシャがそう問いかける。現代社会に生きる私たちのほとんどが、大きくうなずくことだろう。
「静かな水のように穏やかであること。周りに流されず自分の速さで進むこと」、「思い通りに歩めばいいのよ」と微笑む、自由な精神にあふれる〈スローライフの母〉がのこしてくれた、「人生を存分に楽しむヒント」をあなたに-----
 

体を通したコミュニケーションを育てる畑

 
ナチュラルダンステアトルの拠点となる阿佐ヶ谷スタジオは、
長年、平日・週末ともに午後にクラスがあって、
そこから年間を通じて何がしかのリハーサルが入っています。
スタジオ運営としては致命傷ですが、
地域・教育などの多様な事業に従事できる人材を養成する中では、
自然とこのスタイルが定着して行きました。
スタジオに向かう時は、に行くような気持ちです。
日々手をかけることで体を通じたコミュニケーションが培われる。
ダンスと言いつつやっていることはコミュニケーションです。
そこには、こんな考えがあります。
実態としてあるのはであってそこから収穫されるダンスを多くの人と分かち合う。
ターシャの言う『輝ける季節』がピンと来ました。
体と向き合うこと、仲間と向き合うこと、観客と向き合うこと、
どれも生き物と向き合っていることに変わりがないからです。